令和2年9月より竹内勤先生の後任として日本臨床リウマチ学会の理事長を拝命致しました、東京大学整形外科の田中栄です。本学会は昭和53年に七川歓次先生、広畑和志先生、河北成一先生が立ち上げられた「近畿リウマチ研究会」がその母体となっています。それから数えると40年以上の伝統を有し、「もっと臨床的な話題提供の場、意見交換の場を」という創設時の趣旨を守り、これまでわが国のリウマチ診療を牽引してまいりました。特に学術集会には、内科、整形外科、リハビリテーション科などの医師とともに、日々現場で患者さんの治療にあたっておられる看護師、薬剤師、理学療法士などのメディカルスタッフの方々、そして治療薬開発に取り組んでおられる製薬企業の方々などにも多数ご参加・ご発表いただき、毎年活気のある討論が行われています。残念ながら本年の学会は新型コロナウイルスパンデミックの影響で誌上開催となりましたが、来年以降また多くの皆様にご参加いただければ幸いです。
私は2年前より学会誌編集委員会委員として学会誌の編集に携わってまいりましたが、学会誌である「臨床リウマチ」は会員の皆様の貴重な研究発表の場として巻数を重ね、論文の投稿数が年々増加しているだけではなく、その質も高くなっていることを実感してきました。今後も会員の皆様には、学会誌への優れた論文の発表を通じて、全体の診療のレベルアップとともに学会の発展にご協力いただきますようお願い申し上げます。
今回理事長として、このような伝統ある学会を率いる立場に立つことになり、重責に身の引きしまる思いです。力不足ではありますが、学会の発展のため粉骨砕身努力する所存ですので、会員の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援とともに御指導御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
令和2年9月1日
日本臨床リウマチ学会理事長 田中 栄
(東京大学大学院医学系研究科 整形外科学 教授)
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